アタック
アタック(主にスパイク)は、チームがラリーを取るいちばんの手段です。良いアタックに必要なのは3つ。ジャンプの最高点でボールを捉えられるタイミングの助走、打つ側の肩の前での高いミート、 そして目の前のブロックに合った打ち方です。
ステップ別ガイド: スパイクの打ち方 →
- アタックの種類
- スパイク、フェイント、ロールショット、スライド、バックアタック
- 助走
- 3歩助走(右利きは左・右・左)
- 打ち分けの選択肢
- ストレート、クロス、フェイント、ロールショット、ブロックアウト
助走のポイント
多くのアタッカーは3歩助走を使います。右利きは左・右・左(左利きは逆)で、方向を決める短い1歩目、長く速い踏み込みの2歩目、両足をそろえて踏み切る素早い3歩目です。最後の2歩で加速し、両腕を後ろへ引いてからジャンプと同時に振り上げ、打つ側の肩の前の高い位置でボールを捉えます。着地はセンターラインを越えずに自分のコート側へ、両足で行います(けがの予防も参照してください)。
最も難しいのはタイミングです。高いトスでは、ボールが軌道の頂点に近づいたところで助走を始めます。速くて低いトスほど早く動き出します(下のテンポを参照)。ネットから遠い位置からスタートする場合は、少し早めに動き出し、打つ側の肩の前で ボールをとらえられるようにします。
動画で見る:スパイクのコツと3歩助走のテクニック
動画:YouTubeのWicked Volleyball、Elevate Yourself、VolleyCountry(Jiri Popelka)。Learn Volleyはこれらのチャンネルとは関係がありません。
アタックの種類
- スパイク:全力のスイングで打つ最も一般的なアタック。ブロックを抜くか、ブロックを利用してコートへ打ち込みます。
- フェイント:しっかり固めた指先でボールに柔らかく触れ、ブロックの上や横から空いたスペースへ落とします。ボールをつかんだり投げたりしない、はっきりした打球でなければなりません。
- ロールショット:ゆっくりと弧を描くスイングでトップスピンをかけ、ブロックを越えてコートへ素早く落とします。
- スライド:片足踏み切りのアタックで、主にミドルブロッカーがセッターの後ろをネット沿いに走り、移動しながら打ちます。ブロッカーがついていきにくい攻撃です。
- バックアタック:後衛の選手による打球です。ボール全体がネット上端より高い位置にある場合は、アタックラインの後ろから踏み切らなければなりません。打った後にラインより前へ着地するのはかまいません。アタッカーが1人増え、ブロックを分散させます。
ポジション別のアタック
- アウトサイドヒッター(レフト):レフトフロント(ゾーン4)から打ち、レフトへの高いトスを担当します。パスが乱れたときのトスの多くもここに集まります。レセプションもするため、整ったブロックを相手に打つことが多く、すべての打ち方が必要です。
- オポジット:ライトフロント(ゾーン2)からセッターの前後のトスを打ち、後衛からのバックアタック(ライトバック、ゾーン1)も多く、相手のアウトサイドヒッターをブロックします。
- ミドルブロッカー:セッターの近くでクイックを打ち、チームによってはスライドも打ちます。ほぼ毎回クイックの助走に入るミドルは相手のミドルブロッカーを引きつけ、味方のアウトサイドヒッターやオポジットが1枚ブロックで打てる状況を作れます。
- 後衛のアタッカー:後衛にいるアウトサイドヒッターやオポジットは、アタックラインの後ろから打ちます。パイプは、後衛の中央(ゾーン6)から打つバックアタックです。
テンポ:トスの速さ
テンポとはトスの速さのことで、アタッカーがいつ助走を始めるかを決めます。多くのコーチは番号で呼びます。
- ファーストテンポ(クイック):速くて低いトスで、ふつうはミドルブロッカーへ上げます。セッターがボールに触れる時点で、アタッカーはすでに跳んでいるか踏み切っています。ブロックには反応する時間がほとんどありません。
- セカンドテンポ:レフト、ライト、またはバックアタックへの、より速く低い軌道のトスです。セッターがボールに触れる時点で、アタッカーはすでに助走に入っています。
- サードテンポ(オープントス):高いトスで、ふつうはアウトサイドヒッターかオポジットへ上げます。ボールが軌道の頂点に近づいたところで助走を始めます。
速いテンポほどブロックに時間を与えませんが、良いパスが必要です。パスが乱れると、セッターはアウトサイドヒッターやオポジットへ、より高く安全なトスを選ぶのがふつうです(トス(セッティング)とラリーが崩れたときを参照)。そのため、どのアタッカーにも高いトスに確実に合わせられる助走が必要です。
どこへ打つか:コースの選択
- ストレート:ブロックが空けているときに、自分に近いサイドライン沿いへ打ちます。
- クロス:コートを斜めに横切って、反対側の奥のコーナーへ打ちます。いちばん広く空いていることが多いコースです。ブロックの内側を狙う、より角度のついた短いクロスもあります。
- フェイント:守備が後ろに下がっているときは、ブロックのすぐ後ろやコートの中央へ落とします。意表を突くために使いましょう。多用すると守備が前に出てきます。
- ロールショット:トスがネットに近すぎたり低すぎたりして強打できないとき、または守備が前にいるときは、ブロックの上を越えて奥の空いたコートへ落とします。
- ブロックアウト:高いブロックやネットに近いトスのときは、ブロックの外側の手を狙ってボールをコート外へはじき出します。ブロックに当たってアウトになれば、こちらの得点です。
- トスが悪いとき:コントロールしたボールを奥のコーナーへ返し、ラリーを続けます。ミスするより安全なボールのほうが良い選択です。
ブロックを見る
ボールだけでなく、ジャンプしながらブロックを見ましょう。
- ブロックがストレートを締めている:サイドのブロッカーが外側に位置してサイドラインを消しているので、クロスへ打ちます。
- ブロックがクロスを締めている:ブロックが内側に寄ってサイドラインが空いているので、ストレートへ打ちます。
- ブロッカーの間にすき間がある:ミドルブロッカーが遅れたら、2人のブロッカーの間を打ち抜きます。
- 高く整ったブロック:外側の手を狙ってブロックアウトを取るか、フェイントやロールショットで空いたコートへ落とします。
打ち方を混ぜて守備にスイングを読ませないようにし、自分に合うトスやブロックについて気づいたことをセッターに伝えましょう。守備やブロックの後はすぐに助走の開始位置へ戻り、次の攻撃に備えます。
アタックでよくあるミス
- ボールの下に入り込む:助走が早すぎたり前に流れたりすると、ボールが頭の後ろになります。体の前で捉えましょう。
- 最後の1歩で減速する:踏み切り前にスピードを緩めると高さを失います。最後の2歩で加速しましょう。
- 前に跳んでしまう:最後の1歩が短かったり遅れたりすると、上ではなく前へ跳んでしまい、ボールの下に入り込んでネットに近づきます。かかとから踏み込んで真上に跳び、踏み切った位置のあたりに着地しましょう。
- ひじが下がる:打つ腕のひじが肩の高さより下がるとスイングが小さくなり、打つというより押すような打球になります。ひじを高く保ったまま腕を引きましょう。
- 腕だけで打つ:パワーは肩だけでなく、助走、ジャンプ、体幹のひねりから生まれます。
- いつも同じ打ち方:毎回同じコースや打ち方のアタッカーは、ブロックもレシーブもされやすくなります。
- ネットに触れる:プレー中にアンテナ間のネットに触れるとタッチネットの反則です。
それぞれのミスの原因と直し方はスパイクの打ち方にまとめています。
練習とトレーニング
- ボールなしの助走:リズムが自然に身につくまで、フットワークと腕の振りを繰り返します。
- トス打ち:パートナーにボールを投げてもらうかトスを上げてもらい、目標を加える前にタイミングとミートポイントに集中します。
- ターゲット打ち:ストレート、クロス、奥のコーナーに目標を置き、何回当てられたかを記録します。
- ブロックに対して打つ:実際のブロッカーや台の上に立ったコーチを相手に、フェイント、ロールショット、ブロックアウトを練習します。
- ジャンプと筋力:脚・体幹・肩のプライオメトリクスや筋力トレーニングで、より高く力強いジャンプと、体に負担の少ないスイングを身につけます。
- 映像分析:助走を撮影し、タイミング、踏み切り、ミートポイントを確認します。
よくある質問
バレーボールのアタックとは何ですか?
アタックとは、サーブとブロックを除き、ボールを相手側へ送るすべての打球のことです。ふつうはスパイクを指しますが、ルール上はフェイントやロールショット、さらにはフリーボールで返す球もアタックヒットに含まれます(FIVBルール13.1.1)。
後衛の選手はスパイクを打てますか?
はい。センターラインから3 mのアタックラインより後ろで踏み切れば打てます。打った後はラインより前に着地してもかまいません。アタックラインより前では、後衛の選手はボール全体がネット上端より高い位置にあるボールをアタックできません(FIVBルール13.3.3)。リベロはそのようなボールを、どこからでもアタックできません(ルール13.3.5)。